車を強く擦った傷は大きく凹みます。その時の修理方法！

車を強く擦ってしまった傷は大きく凹む事があります。
大きく凹んでしまった擦った傷の修理方法と板金塗装の考え方など、詳しくご説明いたします。
パネル交換にすると高額な修理代がかかってきますよね？
交換ではない方法でのご説明となります。ぜひ参考にしてください。

「車の擦った傷」修理前

リンカーン・ナビゲーターの擦った傷の修理を例にして板金塗装をご紹介致します。

リヤドア・リヤフェンダー、リヤバンパーと大きく擦った傷があり、大きく凹んでしまっていますので、金額が大きくなってしまう事から、車両保険を使用しての作業となりました。

「ドアは交換して、リヤフェンダーは板金して（交換すると事故車になってしまうので）リヤバンパーを修理して」

と、お車に一番良い方法を考えて作業方法を決めようと思っていましたが、

「な、な、なんと！リヤドアがもう製造中止になっていました。」

もうこれは板金でこの擦った凹みを修理するしかありません！
下記の板金画像を見ていただくと、大きく擦った事で大きく凹んでいたのがお判りいただけると思いますが、
なんとか頑張ってご修理させていただきました。

同じように車両保険を使用しての修理事例ですので、
「ベンツCクラスの板金塗装／保険の場合は交換した方が良い理由！」も合わせてご覧ください。

リヤドアは、擦って大きく凹んでいた事もありましたので凹みの修理が結構大変でした。
しかも今回の修理箇所が以前他社でのご修理があったみたいで、厚くパテが盛ってありました(>_<)

厚くパテを盛っていますと、そのパテを全部剥がして板金をし直さなければなりません。
思っていたよりもお時間のかかる修理となりましたが、時間をかけた分ご満足いただける作業ができたのではないかと思います。

パテはなるべく薄く薄くが基本です。

これを厚盛りしてしまうと、仕上がりも良くないですし、もしまた同じ場所に損傷が起きた場合には凄く汚く見えてしまうケースがありますので、パテ付けは薄くが基本です。

パテと言ってもあまり知らない方も多いと思いますので、大きく分けて４種類あるパテのお話を少し！

パテには種類があります。

と、大きく分けて４種類あります。
※特殊なパテもありますが今回は基本形のみです。

「ファイバーパテ」とは
ファイバーが埋め込まれたパテで強度が強く、フレームなどのパテ形成に使われる事が多いです。
「板金パテ」とは
目の粗いパテです。厚付けが可能で、基本的には板金の後に使用されるパテです。
「中間パテ」とは
板金パテの後にはポリパテで仕上げるのですが、ポリパテでは足りないなと思う時に少し厚くもれるパテとして使用されます。
「ポリパテ」とは
最後の仕上げパテです。よりキメが細かいパテですので、パテ痩せが少なく仕上げに使用されるパテです。キメが細かいので厚く付ける事はできません。※仕上げパテと言って、ポリパテより細かいパテもあります。

基本的にはこの４種類を使い分けて形を形成していきますが、その中でもメーカーによって質が違いますし、良いパテ、悪いパテがありますので見極めが大切です。このメーカーだから絶対大丈夫ということはないですので、一つ一つの検証が大切です。