先週納車された綺麗な黄色の車。
いつものようにダンナと子どもを送り出してから、車に乗って出かけようとして、青ざめた・・・。
後ろのバンパーに横向きに10cmくらいの黒い線。
「だから綺麗な色の車はキズが目立つからって言ったのに」と思いながら一歩一歩車に近づくと「え~っ!いきなりキズ~!」。
キズの高さが気になったので周りを見ると、犯人を発見。
「息子の自転車じゃん」
キズもよく見ると「なんか、下地が見えてるんですけど・・・」。
「あ~、ダンナが知ったら、泣くだろうな、たぶん」。
小さなお子さんがいらっしゃる家庭では、よくある「自転車のハンドル」によるキズ。
キズをつけようとしたわけではなく、自転車を出すとき偶然にハンドルの先端が擦れてしまったのが原因です。
2cmや3cmくらいなら、塗料やキズ消し用品をご自身で購入して使われても目立たなくはなりますが、
10cmや下地が見えているとなると、それだけではキレイにならないかもしれません。
特に納車されたとこであれば、まだまだこれから長く乗られるはずですから、毎回車に乗るたび「キズが目につく」とか「キズの塗り跡が気になる」というのも、気分的に良いものではありませんよね。
そこで、今回は車に付いてしまった傷(キズ)を修理に出すメリットや、修理に出すときのチェックポイントなどをお伝えします。
この記事を最後までお読みいただいて、あなたにぴったり合った車のキズの修理方法を見つけてくださいね。
目次
車の傷(キズ)について知っておこう
車のキズをいつまでも新車のように「ゼロ」にすることは大変です。
冒頭でお話ししたように、キズをつける気がなくても付いてしまうことが多々あります。
まず、ここではキズの種類を知っておいてほしいのです。
どうしてかと言いますと、キズの種類によって修理する方法が変わってくるからなんです。
また、修理の見積もりの説明に出てくることがありますから、知らないよりは知ってる方がプラスになります。
線キズ
キーやコイン、キーホルダーの尖った部分。
硬くて先が尖ったもので、引っかいて出来たキズを「線キズ」と言います。
線キズでも、比較的浅いキズなら「キズ消し用品」や「タッチペン」と呼ばれる塗料を使うことで、ご自身で修理することも可能です。
ただし、線キズでも「深い」または「大きい」キズの場合は、深くなった部分を埋めて整え、その上から目立たないように塗装することになりますから、ご自身で修理することはマニアでないと、なかなか手を出しにくいと思います。
擦りキズ
- 細い道を左へ曲がったら、電柱と接触してしまった
- 駐車しようとしたら、壁で擦った
- 狭い駐車スペースに入れようとして、隣の車と擦れた
擦りキズは、線キズと比べると「キズの面積」が広くなることが多いです。ボディだけに限らず、ドアミラーやバンパーにも起こりやすいので、線キズよりも多いキズかもしれません。
擦りキズの場合も、キズが浅く小さな面積なら、線キズと同じようにご自身で修理できることが多いです。
しかし、手の平よりも大きい場合は、修理が趣味でないのなら、お願いした方がいいですね。
へこみ
- 縁石でドアの下が凹んだ
- ボディに野球のボールが当たって凹んだ
- 自転車が倒れてハンドルが激突して凹んだ
凹みは「線キズ」や「擦りキズ」のように、ご自身で修理することが出来にくいキズです。
凹みを元に戻す必要がありますし、凹んだことで塗装の上を覆っている「塗装膜」と呼ばれる保護膜までキズが及んでいることがあります。
凹みが深い場合には、裏側から叩き出したり、表側から引っ張ったりして凹みを滑らかな元の状態に戻す技術が必要になってきます。
この場合には「板金」と呼ばれる技術に興味がある方を除いて、修理を依頼されることをおすすめします。
参考「ポルシェ・ケイマン板金塗装/キズと凹みの修理行程すべて見せます。」
参考「アウディの板金塗装/ドア・フェンダーの修理代と相場のお話。」
塗装の劣化
新車の場合には関係ありません。
新車で「塗装に雨のシミや色合いがおかしい」ということがあるのなら、購入されたお店に保証対応してもらいましょう。
では、塗装の劣化とは何かと言いますと、年数が経った車の塗装が
- 雨
- 夜つゆ
- 埃
- 鳥のフン
などにさらされたことで、塗装面にシミや色が薄くなってくる症状です。
もし、お知り合いの車で思い当たる方がいらっしゃったら「塗装することでキレイになるよ」と、それとなく遠まわしに教えてあげてください。
「車、塗り替えたら」なんてお話しすると、ご気分を害されるかもしれませんから。
お気をつけくださいね。
サビや腐食
新車だから関係ない、とは思わないでください。
小さなキズが原因で、車の年数に関係なく「サビ」は起こります。
また、小さなキズから発生した「サビ」を見逃すと、時間とともに「腐食」が始まりますから、大切な車に深刻な被害をもたらします。軽い症状なら良いですが、深刻な場合ならパーツの交換となることもありますから、費用面を考えても「サビ」「腐食」は起こらないようにしておきたいですね。
破損
- ぶつかった
- 接触した
バンパーやヘッドライト、ひどい時にはボディやドアなどを破損することがあります。
修理しないと安全面も不安ですから、早めに修理の依頼をしてください。
破損したまま道路に出て走っていると、整備不良の取り締まりを受けることもありますから対処は早めが肝心です。
参考「ボルボ/なぜ修理代を気にせずに仕上がりを優先するのか?」
ちゃんと修理しないと・・・残念なことにも
車に起こるキズについて、ご理解いただけましたか?
キズについての説明でもありましたが、車のキズは放っておくと「サビ」が発生することが最も怖いことなんです。
キズがついて早めに修理をすると、キズから雨や夜つゆが入り込むことが少なくなりますし、仮に入り込んでいても修理する範囲が小さいので費用も抑えることができます。
しかし、いったん「サビ」が進むと外から見えているよりも、広い範囲を修理することになります。
これは、サビは塗装の下でジワジワと広がっていくから。
目で見えている塗装はキレイなままだけど、実は塗装の下にサビがあるので、修理するときはサビの部分すべての塗装をやり直すことになるんです。
例えば、キズがついてからすぐの修理なら「5cm×5cm」で済んでいたのに、放っておいたために「10cm×10cm」を修理することになるので、費用が膨らんでいくというデメリットも出てきます。
このように、キズがついたら早めに対処。
これがいつまでも車をキレイに、そして費用を抑える賢い選択だと思います。
参考「ボンネット塗装/修理代と相場!劣化で剥がれてしまった時。」
車の傷(キズ)の修理方法
車についてキズを修理するには、大きく分けると次の3つが考えられます。
- 自分で修理する
- ディーラーへ依頼する
- 板金業者へ依頼する
それでは、ひとつ一つご説明していきます。
自分でする
費用面を考えると「自分でする」のが安いです。
カー用品店へ行って、必要な塗料やキズ消し用品、布などを揃えても、修理に出すよりは安くなるでしょう。
しかしここで問題になるのが「修理する時間」です。
あなたは慣れない作業を、何時間も使って続ける必要があります。
また、出来上がりもプロと同等にできるとは限りません。
- なんとなく色が周りと合ってない
- よく見ると凹みがわかる
- だんだんと被害が広がっている気が
こんなことになる確率も高いです。
そして、自分で出来る範囲を超えたキズの場合、専用の工具や修理をする場所などの確保が必要になってきますので、自分で修理すると決められたときでも、一線を越えないことが「最も早く、最も費用を抑えて、最もキレイに」できる方法だということを忘れないでください。
ディーラーへお願いする
ということで「修理大好き」ということでなければ頼みましょう。
修理を頼む相手として、最初に思い浮かぶのは車を購入した販売店やディーラーですよね。
しかし、ちょっと待ってください。
実はディーラーに頼むときに知っておいてもらいたいことがあります。
それは、ディーラーに修理を頼むと
- 費用は高額になりがち
- 修理に時間がかかることが多い
この2点に注意してください。
どうしてディーラーは費用が高額なのか。どうしてディーラーは修理に時間がかかるのか。
その理由をお話しします。
実のところ、ディーラーは自社で修理しているのではないからです。修理は外注しているのです。
では、どこに外注するのかというと、街の「板金塗装業者」です。
ここで考えてみてください。
ディーラーは街の板金塗装業者へ外注に出しますから、ディーラーが板金塗装業者へお金を払います。そして、ディーラーは板金塗装業者へ支払った金額に、自分たちの利益を上乗せして、あなたに請求するのです。
おわかりいただけましたでしょうか。
あなたは、実際の修理代+ディーラーの利益分を払うことになるのです。
また、修理に時間がかかるのも、ディーラーの希望が上手く伝わっていない場合などは再修理となることもありますから、修理に時間がかかることもご理解いただけると思います。
ということは、ディーラーで修理をするメリットとは何でしょうか。
それは「ディーラー」というブランドからくる安心感です。
そして、ご自身で「板金塗装業者」を探す手間がないことです。
板金塗装業者へお願いする
探す手間がない、と言いましたが現在はインターネットがあります。
この記事を見つけていただいたのもインターネット。
ということは、ネットで板金塗装業者を探せばいいんです。(楽な時代になったものですね)
街の板金塗装業者は、はっきり言って「職人集団」です。
ディーラーと同じ費用を払うなら、最高級の仕上がりにしてくれる可能性が高いです。
ですから、まずはネットであなたの近くの板金塗装業者を検索しましょう。
そして直接、見積もりをもらいましょう。
そして、ここでポイントがあります。
街の板金塗装業者は、腕で勝負しています。
ですから過剰な「値引き」交渉は避けたいところ。
これは、何も「損するから」という理由で言っているわけではありません。ある程度なら、交渉に応じてくれるでしょう。
しかし、過剰な値引き交渉は、職人たちの「腕」を安くみていることになります。
あなたなら最高の腕前を、やすい値段で提供しようと思うでしょうか?
それでなくても、ディーラーを通していないために、費用が低く抑えられているのに。
費用は「腕」と「材料」、そして「仕上がり」に比例します。
別に「手を抜いている」わけではありません。その費用では、そこまでの材料しか使えない。そこまでの作業しかできない。
そういうことなんです。
参考「車の傷の修理代。ディーラーや町工場の値段ってどう違う?」
知らないと損する、板金塗装業者の選び方
では、あなたがインターネットで「街の板金塗装業者」を見つけたとしましょう。
見つけただけでは、良いお店なのかどうかわかりませんよね?
そこで、ここでは板金塗装業者を選ぶポイントを紹介します。
ポイントは次の6つ
(1)塗装ブースが専用になっている
専用のゾーンがあるということは、それだけ仕上がりにこだわっているということです。その理由としては、専用ゾーンは埃を入れない仕組みになっているので、塗装するとき塗料に埃が埋め込まれることがないからです。
このちょっとしたことが、最後の仕上がりに大きく影響してきます。
(2)接客
丁寧に、わかりやすく説明してくれるでしょうか。
あいまいなところを質問しても誠意をもって答えてくれるでしょうか。
接客に納得がいかないと安心して車を預けられませんから、特に注意してみてください。
(3)費用
費用は判断が難しいところです。
でも、安すぎるのも注意です。
比較しないと心配なときは、ディーラーや他の業者の見積もりも用意して検討しましょう。
でも、過剰な値引き交渉はやめてくださいね。(ちょっとなら交渉してください。)
(4)仕上がり
今までの仕上がりがわかる写真などを見せてもらいましょう。
特に自分の車のキズに近いものがベストです。
(5)修理に入っている車の数
修理に入っている車の数が多いということは、それだけ色々なディーラーや販売店から頼りにされている証拠です。
また、あなたと同じように、個人的に修理に持ち込んでいる人が多いということです。
(6)納期
修理に入っている車の数にもよりますが、多い場合には納期が長くなることが普通です。
ということは、すでに修理を依頼している人達も納得しているということ。
これらの部分をチェックしてお店を見ておきましょう。
特に「接客」は大事なところです。
ここで信頼感を感じられない場合には、他のお店を探すのもいいでしょう。
修理の仕上がりチェックポイント
お店が決まったら一安心。
次は、修理が仕上がってきたときのポイントをお話しします。
修理が完了して車を引き取りにいったら、次の項目をチェックしておきたいですね。
(1)ヘコミ
日陰で少し横から「ヘコミ」があったところを見てみましょう。
映り込んだ景色が凸凹せず、滑らかになっているか確認してくださいね。
(2)色合い
塗装の仕上がりを確認しましょう。
直射日光が当たる場所、日陰の場所の両方で修理をした辺りを見渡すようにしてください。
塗装したところが違和感なく溶け込んでいるか。
塗装ムラはないか。
2箇所で見ると、よくわかりますよ。
(3)つぶつぶ
修理箇所や塗装したところに「小さなつぶつぶ」「ゴミ」「テープの跡」などが残っていないか見てみましょう。
(4)バランスチェック
バランスと言っても難しいことはありません。
バンパーなどを外して修理したときに、遠くから見たらバンパーが左右均等になってないとか、隙間が右だけ広いとか、こういうところをチェックしましょう。
また、ドアの開け閉めが従来と同じようにできるかもチェックポイントです。
(5)ウィンカーやヘッドライト
関係ないと思いがちですが、念のため確認を。
- ウィンカーやヘッドライト。
- ブレーキランプやストップランプ。
- パワーウィンドウやドアロック。
一通りチェックしておきましょう。
知っておきたい修理のQ&A
(1)見積もりは有料?
はっきりと言います。これはお店によって違います。
また、車の修理箇所や状況によっても変わってきます。
表面だけを見て判断できるようなら無料のところもありますので、お店に確認してください。
(2)保険を使って修理は可能?
これは、あなたがご加入になっている保険によります。
修理を依頼される前に、保険会社にお問い合わせください。
参考「ベンツCクラスの板金塗装/保険の場合は交換した方が良い理由!」
(3)クレジットカードの支払いは?
お店によって違いますが、最近はクレジットカードでの支払いができるところが増えてきました。
見積もりのとき、一緒にクレジットカードでの支払いが可能か確認しておくと安心です。
(4)引き取りや代車は?
まず引き取りは有料の場合が多いです。
特にキズが原因で動かなくなった場合は、費用が必要になることが多いですね。
次に代車ですが、お店が用意しているところもあります。
代車の場合には、有料か無料かという部分もありますが、代車運転中の事故に対して保険がかかっているのかを確認しておきましょう。万が一の場合に大きな違いがありますから、これは忘れず確認を。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
車のキズと言っても、いろいろなキズがありますし、それに合った修理方法も存在しています。
車好きな方や、修理やメンテナンスが趣味の方ならご自身で時間をかけて少しずつ治していくという方法がおすすめですね。
これはご自身のスキルにもなりますし、より一層の愛着が車に湧くという大変うれしいことも付いてきます。
しかし、
- 修理やメンテナンスは趣味じゃない
- 時間をかけるなんて、ちょっとね
- そんなのムリムリ、余計に“ひどく”しそう
というのであれば、キズから錆や塗装への良くない影響が広がる前に、ディーラーや板金塗装業者へお問い合わせください。ただ、記事の中でもお話しいたしましたが、ディーラーも板金塗装業者へ修理を依頼しているということをお忘れなく。
参考「ディーラーとの修理代の違いに驚愕!半額以下で修理できるなんて!」
ディーラーのネームバリューや心理的イメージに「安心料」のような金額が上乗せされた修理費用を負担されるのか、それとも板金塗装業者と直接やりとりして修理費用だけ負担するのか。
開けっぴろげに言ってしまうと、こういうことになります。
どちらを選ばれるかは、あなたの好みや予算、地域的な理由があると思います。
しかし、修理の見積もりを取るのは自由ですから、ディーラーと板金塗装業者からの見積もりを両方取り寄せてから、検討されるのが良いとアドバイスさせていただきます。見積もりを取り寄せると、修理をお願いする相手の対応や雰囲気もわかりますから、あなたが安心して気持ちよく修理をお願いできる相手が見つかるというものです。
あなたのお家の車は、これからもあなたの家族を守りながら、いろいろな思い出をつくる手伝いをしてくれると思います。
ですから、車のキズは放っておかないで、できるだけ早くキレイな修理をしてあげてくださいね。
佐藤自動車の「こだわり」と「思い」
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下記ページも合わせてご覧ください。
「佐藤自動車の会社沿革と全国技術大会の受賞歴」