なぜ修理代の安さより仕上がりを優先でき、修理ではなく交換に出来るのか?
実費での修理の考え方と、保険での修理の考え方の違いをお教えします。
知らないと損してしまう事もありますので、車両保険の仕組みを、ボルボの修理を例にして画像と共にご紹介いたします。
参考にしてください。
目次
バンパー・フェンダー交換、損傷
バンパー・ライト・フェンダーを壁に衝突してしまった事故です。
見た目の損傷としてはフロントバンパー、フロントフェンダーが大きく凹んでしまっています。バンパーとフェンダーのズレが大きくなってしまっていますので、もしかしたら中のフレームまで押されているかもしれませんし、ヘッドライトの取り付け部分にも損傷があるかもしれません。
表面からはバンパー、フェンダーしか損傷は見受けられませんが、上記のように他の所も損傷があるかもしれないと思いながら作業やお見積もりをしないといけません。
作業内容と懸念材料
まずお客様のご要望としては綺麗に修理したいというのが第一優先でした。
バンパーもフェンダーも板金で修理できない事もないのですが、多少の歪みが残ってしまう事が想像できました。
それはなぜかと言いますと、
- 1つ目はフロントバンパーは全体的に歪んでしまっている事、取り付け位置が切れてしまっている事です。
フロントバンパーに関しては上記の2点で修理しても多少の歪み・ズレが生じる可能性が高くありました。 - 2つ目はフロントフェンダーがヘッドランプとのすき間まで歪んでいて、その調整が難しいと思っていました。フェンダーはドアなどと違って一枚パネルでペラペラなんです。そうなると歪んでしまっているパネルを元に戻そうとすると弱いパネルの為に上手く行かないケースが考えられます。ドアは袋状になっているので板金はやりづらいですが、ペラペラではないので強度を保ちながら板金をする事が可能です。
お客様とお話合いをした結果、しっかりと修理を完成させたい事と、車両保険に入られている事からフロントバンパーとフェンダーを交換する事に決定しました。
交換になると高額になってしまう為、車両保険を使用しての作業に決定しました。車両保険を使う場合は、わざわざお安く修理する必要性はありませんので、金額は気にせずにしっかりと完成出来るような修理方法を選択する事ができます。
なぜ車両保険を使う場合は、金額を気にせずに仕上がりを優先する事が出来るのか?について下記に記載いたします。
なぜ仕上がりを優先に出来るのか?
車両保険は修理金額によって来年の保険料が変わるわけではありません。
聞いた事があるかもしれませんが、事故を起こして保険を使用すると等級が3等級ダウンします。
これは修理金額(請求金額)によってダウン数が決まるわけでなく、1事故3等級ダウンと基本的に決まっている事なんです。
そう考えて見ると、中途半端な修理をするより元どおりに綺麗に直すほうがお得ですよね?
もちろん損傷していない所まで請求する事はできませんが、今回の事故での損傷であれば請求する事ができます。
(もちろん保険会社が認める範囲でですが・・・。)
保険の仕組みに関しては
「車両保険使用時の考え方とプロのアドバイス/板金塗装」を参考にしてください。
作業方法と方向性の決定
車両保険を使用する事が決定しましたら、まず絶対に交換が必要なフロントバンパーとフェンダーを先に注文しておきます。
ここではまだ中がどこまで損傷しているかはわからない為、バンパーを外してからチェックして損傷している部分は修理、あるいは交換と作業内容を決定していきます。
バンパー・フェンダーを交換し損傷を確認
ヘッドランプを外したら、ランプの取り付け部分が損傷して折れていました。
表からは分からない事ですが、少し想像をしていた通り損傷していました。
実費修理であればなんとか加工できなくはありませんが、保険を使用しての作業の為交換とさせていただきました。これが仕上がりを優先という事の1つです。
バンパーの中にウォッシャータンクがあるのですが、バンパーが押されて中にあるウォッシャータンクまで損傷していました。
そのウォッシャータンクの付け根の所がフレームになっているので、ウォッシャータンクが押された事によってそのフレームまで少し歪んでいました。
ウォッシャータンクも使えなくはないですが、今後の事を考えると交換したほうが良いですし、フレームに関しても調整したほうが良いですので、今回は車両保険を使用しての修理代より仕上がりを優先という方向性で作業していますので、ウォッシャータンクは交換して、フレームは修正させていただきました。
フロントバンパーとフェンダーとを繋ぐブラケットの交換。
これが損傷したままだと上手につきませんし、すき間もあってきません。ここは実費だとしても交換したほうが良い部品です。
バンパー・フェンダー・ライト交換の仮合わせ
バンパーやフェンダー、ドアなどを交換する場合には必ず仮合わせが必要になります。
なぜ?
それは新品パネルでも完璧ではない場合がある為です。
その時には歪みを調整したり、少し曲げたりと加工しなければならない事があるので、この調整や加工は塗装が終わってからでは塗装が割れてしまう事があるので後からではできません。
今回は中の方まで損傷していましたので、なおさら先に調整が必要になります。
バンパーやライト交換なら誰がやっても一緒?
交換だからどの会社でやってもらっっても、誰が作業しても一緒でしょ?
と思われている方も多くいると思いますが、上記の調整や加工が必要になるケースが多々ありますので、技術力が必要になる事から誰がやっても一緒という事はありませんので、交換だからと安易に考えずに修理工場選びも慎重にお願いいたします。
バンパー交換の穴かけ加工
フロントバンパーに穴開け加工が必要な事があります。
今回のボルボではナンバーの取り付けの所の穴あけが必要でした。
なぜ最初から穴があいていないのでしょうか?
それは国によってナンバーの大きさも違ければ、取り付け位置も違います。
その国に合わせて穴を開けておけば良いと思われるかもしれませんが、その国で量産できるものはそうなっている事もありますが、メーカーとしては在庫コストと製造コストを考えて判断しているのだと思われます。
バンパー・フェンダー交換、塗装
先ほどの画像で見ていただいたように、バンパーとフェンダーは塗装がされていないので、このボルボに合わせて色を作って塗装をしていきます。
弊社では輸入車に関しては欧州車専用のスタンドックス塗料を使用するようにしています。
国産車には関西ペイントという塗料で塗装をしています。
やはり国産車には国産塗料を!
輸入車には輸入塗料を!
バンパー・フェンダー・ライト交換、修理完成
大変満足のいく仕上がりができました。
今回は車両保険を使用しての修理代を優先ではなく仕上がりを優先での作業でしたので、お車にとってお客様にとって一番良い修理方法を選択させていただきました。
車両保険を使用した方が得かな?損かな?と考えてご選択をされるのが良いと思います。
弊社では保険の免許を取得したものが、分かりやすくご説明するようにしておりますので、もしわからない事がありました何でもお気軽にご相談下さい。
保険修理の場合は、部品を本当に交換しているか分かるように、保険会社へ画像の提出が必要になります。
まとめ
自動車を修理する場合には、車両保険を使用した方が得か?損か?の判断が必要になる事と、それと保険の場合にはお車にとって一番良い修理方法を選択する事、これが重要です。
保険を使う時には修理金額は関係なく、ただただ1事故3等級ダウンするという事です。
しかし、修理代を関係ないわけではなく、その車の時価額や、車両保険の設定額は超える事は出来ませんので、その事は気を付けて、修理工場の担当者とお話しておく事が良いと思います。
バンパー・フェンダー・ライトの交換でお困りなら佐藤自動車が解決いたします。
こんな凹みも修理できるの?
ディーラーに行ったら高額の見積もりになってるんだけど安く修理できる?
短い期間で修理したいんだけど対応してくれる?
保険で修理したほうが得なのか損なのかが分からないんだけど教えてくれる?
などなど、何でもお気軽にご相談下さい。
分かりやすく丁寧にご相談に乗らせていただきます。