今回は、BMW・X5のドア板金にまつわる修理事例をご紹介します。
フロントドアとリアドアにかなり大きな損傷が入り、片方のドアは「修理」、別のドアは「交換」を行うことにしました。
基本的には「修理」のほうがコストが低くなりますが、傷の具合によっては、むしろ「交換」を選んだほうがお得になるパターンもあります。
それでは、実際どのようなケースだったのか、画像とともにお伝えします。
BMW大損傷
まずは、損傷状態をご覧ください。
左側のフロントドアとリアドアに、広範囲にわたって大きな損傷が入ってしまっています。
別の角度から撮影した画像です。
凹みも激しく、ドアが歪んでいるのがお分かりいただけるかと思います。
後ろのリアドアに関しては、ここまで凹んでいると「交換」一択となってしまいます。
理由としては、ドアの中のフレームまで歪んでしまっているからです。
画像を見ていただくと、車の前方から後方の損傷部分において、斜め方向に妙に際立って見える部分があります。
この部分こそ、表の鉄板がぶつかって凹んだことにより、ドア内部のフレームまで歪んでいる何よりの証拠なんですね。
修理できないことはないのですが、修理にかかる金額が交換を超えてしまうのです。
また、ドア自体の強度を保つのも難しく、安全面でも不安があります。
費用、仕上がり、そして安全という観点から、お客様にはドア交換をご提案させていただきました。
なお、フロントドアに関しては、修理対応を行うことにしました。
メーカーさん、ディーラーさんであれば、フロントドアも新品への交換を提案されたと思います。
しかし、当社・佐藤自動車であれば修理で問題ないため、板金を行う判断をしました。
このように、片方のドアは修理対応することによって、全体的なコストは抑えることができています。
こだわり板金
こちらは、フロントドアの板金が終わったところです。
画像を見ていただくと、損傷が広範囲に凹んでいたのがお分かりになるかと思います。
パッと見ではわからないような歪みができていたということですね。
修理が終わったとき、仕上がりが変になってしまうといけないので、外見からはわかりづらい歪みでも、しっかり対応させていただいております。
下地処理
こちらは、紫外線硬化型のパテを塗ったところです。
板金が終わったあとも、多少の歪み、ひずみが残っていますので、パテを塗ることで表面を滑らかにします。
パテは、紙やすり(サンドペーパー)を使って研ぎつけていきます。
職人の手で研ぐことによって、ドアを元通りの形に近づけていくんですね。
綺麗な形が出来上がったら、次は下地処理剤(サフェーサー)を塗装します。
こちらは、下地処理剤(サフェーサー)を塗装したところです。
下地処理剤をつけることによって、このあとに使う塗料の吸い込みを抑えることができます。
なお、下地処理剤もパテと同じように、紫外線硬化型の製品を使います。
下地処理後はすぐに塗装していくのではなく、ふたたび形を整えるためにやすりを当てます。
この時点では、どうしても微妙な凹凸が残っているので、何度も何度も研ぎつけることによって、正確な形を作り上げていきます。
機械だけで研いでいくことも可能ですが、それだと、私たちが求める完璧に綺麗な形にするのは難しいです。
そのため、佐藤自動車では機械だけでなく、手作業も含めてやっていきます。
ペーパーは400番→600番→800番のように番手を変える、つまり、やすりの粗さを調整しながら作業を進めます。
手作業には、どうしても時間がかかります。
機械だけで済まそうとすれば、おそらく作業時間は10分の1くらいで済むでしょう。
しかし、手抜き作業の先には、悪い仕上がりしか待っていません。
当社・佐藤自動車では、お客様に「永久保証」を提供させていただいております。
これは、修理したことがわからないくらい、どこよりも綺麗に仕上げることにこだわっているためです。
完璧な形を作るには、熟練した職人による手作業が欠かせません。
こだわり塗装
こちらは、フロントドアの塗装が終わったところです。
佐藤自動車では、BMWのメーカーさんと同じ「スタンドックス」という水性塗料を使っています。
ディーラーさんの中には、「(ディーラーで)作業しないと同じ色にならない」と言われるところもあるようです。
しかし、当社であればまったく同じ塗料を使っているので、「塗料のせいで色が変わってしまう」ということはありません。
もし色が変わるとすれば、それは塗料のせいではなく、職人の技術力のなさが原因といえるでしょう。
佐藤自動車は、約3万台のお車の修理実績がありますので、技術力には確かな自信を持っています。どうぞご安心ください。
こちらは、塗装する前のリアドアの画像です。
ご覧いただいてお分かりのとおり、実は、メーカーさんから送られてくる新品のドアは、塗装されていません。
これはディーラーさんでも同じです。
そのため、工場側で、パーツの下地処理と上葺き塗装をおこなう必要があります。
ドアの裏側も、このように、ガラスや内張、ゴムといった部品はなにも入ってきません。
部品がついてこないは、ディーラーさんも同じです。
メーカーさんから届くのは完成品ではなく、あくまで材料のパネルなんですね。
新品のドアを塗装していきます。
裏のほうまで塗装します。
新品ドアと交換する場合は、部品はすベて元のドアから手作業で入れ替えていくことになります。
つまり、ドアを交換するには、「部品の付け直し」というリスクがあるわけです。
そのため、佐藤自動車では、むやみに新品に交換するのではなく、「お車的に交換をしたほうがいいもの」を考えて、アドバイスさせていただいております。
もちろん、作業時はチェック体制を整えていますが、人間がやるからには必ずリスクが付きものです。
これはディーラーでやったからといって、作業自体を人間ががやることには変わりありません。
「交換は余程の場合におこなう」が前提です。
ちょっと傷がついたからといって、「なんでもかんでも新品に交換する」というのは、避けたほうがいいですね。
BMW・X5板金修理完成
こちらは、修理が完成したところです。
すっかり歪みや凹みは無くなり、まったく違和感なく仕上がりました。
車の安全性や価値を考えて提案
今回は、BMW・X5のフロントドア板金、およびリアドア交換の事例をお伝えしました。
当社・佐藤自動車では、車にしっかり向き合い、安全性や価値について考え、「これは交換したほうがいい」「これは修理で対応できる」という判断を行なっています。
それはすべて、「お客様にとって一番いいもの」をご提供したいと考えているからです。
当社には30年の歴史があり、積み上げてきた過去の実績と経験がございます。
車を直す方法1つとっても、車の価値を下げない工夫はいろいろあります。
「お客様が乗り続けるためにいいもの」
『お客様が次に売るときにいいもの」
さまざまな選択肢の中から、お客様に最適なプランをご提案をさせていただきます。
ご依頼いただくときは、ぜひ「お客様がどのように乗っていきたいか」「そのお車に何年乗っていきたいか」といった、お客様自身のお考えをお聞かせください。
お問い合わせをお待ちしております。