板金塗装って言われても、言葉の意味すら分からない方は多くいると思います。
そこで、
- 板金とは何か?
- 塗装とは何か?
プリウスの板金塗装を例にしてご説明いたします。
ぜひ参考にしてください。
板金塗装・損傷状態
残念な事に、リヤドア・リヤフェンダー・リヤバンパー、3つのパネルにまたがって損傷しています。
壁に擦ってしまったのでしょう!(>_<)
傷と凹みが出来ていますので、リヤドアとリヤフェンダーは板金が必要となります。
リヤバンパーにも傷と凹みがありますが、このバンパーの修理の事は板金とは言わずに普通に修理と言います。
車の板金塗装で言う板金とは何の事を言うのか?
それは、凹んだ鉄板を元に戻したり、加工したりする作業。
ぶつかってしまうと、必ずと言って良いほど鉄板が凹んでしまいます。
その鉄板を元に戻す作業の事を板金と言うのです。
そうなると、バンパーは樹脂で出来ていて鉄板ではないので、板金とは呼ばないのです。
板金塗装・板金
先ほどお伝えしたように、
凹んでしまった鉄板を元に戻す作業を板金とお伝えしましたが、その板金が完成した画像です。
板金(鉄板の凹みを元に戻す)には、大きく分けて2つの方法があります。
- 表から引っ張って板金をする
- 裏から叩いて板金をする
この2つの方法からお車の形状や、損傷パネルに合わせて板金方法を選択していきます。
今回の修理では、リヤドアは表から引っ張って板金をして、
リヤフェンダーは裏から叩いて板金した後に、表から引っ張って板金をしました。
リヤドアに関しては、
裏にアクセスできるので裏から板金して叩くことは可能ではありますが、かなり板金作業がしにくい体勢になってしまいますので、表から引っ張る方法で板金をしました。体勢が悪い状態で作業しますと、仕上がりにも影響が出ますので一番良い方法を選択しています。
リヤフェンダーに関しては、
アーチ部(タイヤに一番近い所)に関しては裏から叩き出す方法で板金ができるのですが、それ以外の箇所は鉄板が袋状になっていますので、裏からはアクセスができません。ですので、それ以外は表から引っ張り出す板金方法で作業しました。
参考、「板金塗装のプロの技術!板金作業工程を全部見せます。」
参考、「車の板金修理/ドアを擦って切れて穴が開いた時のプロの修理方法」
板金塗装・パテ形作り
板金の後には、パテをつけて削って形を整えていきます。
板金作業でしっかりと鉄板を元通りにしておかないと、パテを厚く付けることになってしまいます。
そうしますと仕上がりも綺麗になりませんし、今後影響が出る可能性がありますので、パテを付けるからと行って板金をおろそかにすることは出来ません。
パテは薄く薄くが基本となります。
※残念ながら厚くパテを付けて仕上げている工場もあるので、そんな仕上がりを見るとチョット悲しくなります(>_<)
板金して、パテで形を整えた画像なのですが、これから下地処理材を塗装していきます。
下地処理剤とは、塗装の密着をよくしたり、最後の細かい所を調整したりする塗装で、サフェーサーと呼ばれている塗装です。
このサフェーサーを塗装して、削って、下地が完成となります。
こやって見ていただくと、結構な作業工程がある事がお分かりいただけると思います。
- 板金
- 付属品脱着
- パテ付け
- パテの研ぎ
- 下地処理材塗装
- 下地処理剤の研ぎ
- 塗装する箇所を清掃
ここからまだ塗装部門に入っていきますので、まだ作業工程は続きます。
先にお伝えしますと、
- マスキング
- 色を塗装
- クリア塗装
- 強制乾燥
- 塗装面の磨き
- 取り付け
- 最終チェック
- 洗車
板金塗装・塗装
塗装が完成した画像となります。
ここで、板金塗装の中の塗装が完成となります。
塗装と一言で言っても、大きく分けて2つの塗装方法があります。
それは、
- 部分塗装
- 全体塗装
全体塗装とは、
このドアのように、パネル1枚全体を塗装することを全体塗装と言います。
部分塗装とは、
このバンパーのようにバンパー全体を塗装するのではなく、部分的に塗装することを言います。今回のリヤバンパーではテールランプの下あたりで、塗装を止めているのがお分かりいただけると思います。これが部分塗装です。
バンパーなどは部分塗装をする事が多いです。
部分塗装の方がお安く済みますので、基本的にはバンパーに関しては部分塗装をお勧めしています。
ドアなどの大きなパネルで部分塗装してしまうと、仕上がりが綺麗にいきませんので、基本的には全体塗装となります。
しかし、しっかりとしたプレスライン等があれば、そこで塗装を止めることも可能ですので、お気軽にご相談ください。
最初の方で、ドア裏の損傷を見ていただいたと思いますが、そこも修理して塗装していきます。
リヤフェンダーの中まで塗装していきます。
プレスラインがあると、そこで塗装を止めることが可能だとお話しましたが、
上の2つの画像が良い例で、
プレスラインがあるので、そこで塗装を止めているのです。
塗装後には少し段になっていますが、軽く磨いてあげると全く分からなくなりますので、問題ございません。
全体塗装をすると高額になってしまいますので、このような塗装方法をお勧めいたします。
参考、「バンパーの擦り傷修理で損しない為に!塗装はどこまで?脱着は?」
板金塗装・完成
プリウスの板金塗装が完成です。
大変満足の行く仕上がりとなりました(^ ^)
お客様にも大変お喜びいただき、嬉しい限りです。
同じプリウスの修理事例
参考、「車を擦った時の修理/ドア修理のプロの考え方と助言!」
まとめ
いかがでしたでしょうか?
少しは板金塗装の事をご理解いただけましたか?
板金塗装とは、
- 板金(損傷した鉄板を元に戻す事)
- 塗装(板金した後に塗装する事)
簡単に言うとこういう事ですが、沢山の工程があるのだともご理解いただけたのではないでしょうか?
たまにお客様で、
「叩いて塗装するだけでしょ!」
と言われる方もいるのですが、結構な作業工程があるんですよ!(^ ^)
少しでもご理解いただけたら嬉しいです。
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