今回は、角張ったカッコ良さとレッドが印象的なランドローバーです。
このランドローバー、左フェンダーパネルが切れてしまったのでご相談いただいたのですが「他店では引き受けないだろうな」という修理が必要になりました。
どういった修理が必要になったのか、順番にご説明させていただきます(^^)
目次
ランドローバー、フェンダーに切れが・・・
まずは上の画像を見てください。
左フェンダーパネルが切れています。そしてランプも割れています(>_<)
別の角度から状態を見てみましょう。こちらの画像の方がわかりやすいでしょうか。
ランプが割れていますし、ちょうどラインになっている部分に切れが起こっています。
こういった損傷の場合、ランプは交換となります。
そして、フェンダーパネルも交換となります。
ということで、両方とも部品を取り寄せて、塗装して組み付けて交換といきたいのですが、ここで一つ問題が。
ランプは部品があるのですが、、、
交換したいけど部品が製造中止!?
左フェンダーパネルの部品が「製造中止」になっているということでして、部品交換できないことがわかりました(>_<)
それでもなんとか修理でできないかと、そんなご相談をいただきましたので、他店ではおそらく引き受けないのでしょうが、そこは佐藤自動車(^^)/
技術に絶対の自信を持っていますので、修理で対応ということでご依頼を受けさせていただきました!
ランドローバー、フェンダーを板金&ボンドで修理
修理の作業を行う前に、ランプをいったん取り外します。
そしてアルミパネルが切れてしまっているので、まずは板金で切れている部分をつなぎます。
これで切れている部分がくっついたのでOK!
ということで修理作業が終わりではありません。ここから切れた部分の修理が続きます。上の画像ですが板金修理の後に、アルミにもくっつく樹脂系ボンドで張り合わせています。
今回、張り合わせた部分なんですが、
このポイントへ強い力が加わることはありませんので、樹脂系ボンドで張り合わせても安全面に問題ないと判断しました。
そして、次に強度をプラスするために、
余分なところを削り落としながら形も一緒に整えています。最初の切れている部分よりも少し大きめの範囲が修理する部分となっています。
さらにファイバー製パテで強度をプラス!!
【画像2-3】
板金を行い、樹脂系ボンドでくっつけた後、
さらに強度をプラスするために今回はファイバー製のパテを使うことにしました。
一般的な形を整えるためのパテもあるのですが、
こちらのパテは粘度(ねばり)が強い反面、強度は強くありません。
でも、ファイバー繊維が入っているパテなら強度が強くなり、叩いたくらいでは割れないので安心できます(^^)
今回、大きな力がかかりにくい部分とは言え、
安全性を考え強度を持たせるため、ちょっと値段は高いものになりますがファイバー製パテを使うことにしました。
こういった細かな部分も、
佐藤自動車では作業前にお客様へわかりやすく丁寧にお伝えしていますので、疑問に思われたときは遠慮なく「どうして高いんですか?」とお聞きください(^^)/
ランドローバー、フェンダーを成形
ファイバー製のパテをつけた後、余分なパテを削り落として形を整えていきます。
このとき、ただ削って落とすだけではなく、右側の同じ場所と対象になるよう、
何度も何度も見て、右へ行って手で触れ左へ戻って手で触って、道具で測って整えていきます。
ここが職人の腕の見せ所でもありますし、
出来映えを大きく左右する部分でもあります(^^)
ランドローバー、フェンダーの塗装前に下地を準備
それでは塗装といきたいところなのですが、
佐藤自動車では塗装がより美しく、そして劣化を防ぐために下地処理を行います。
そこで下地処理のために、下地処理が必要のない部分をマスキングペーパーやテープで養生します。
養生した後はサフェーサーと呼ばれる下地処理剤を塗装します。ボディーカラーはレッドでしたが、下地処理剤を塗装した部分は、少し黒っぽくなっています。
そして、いよいよ次に塗装という流れを考えますが、ここでもう一手間をかけます。
完成形に研いでカタチを整えます!
下地処理剤(サフェーサー)を塗装した後、最終的な完成の形へと、もう一度「研ぎ」を行い、形の微調整を行います。当て板という道具を使って形を整え、粗い目のヤスリから細かい目のヤスリへと変えていきながら微調整します。
粗い目のヤスリだけですと、塗装したときに削った後が残るので、
ここは丁寧に細かい目のヤスリで後を残さないように形を整えていきます。
ランドローバー、フェンダーパネルの塗装完了
左フェンダーパネルの塗装が終わったところです。
損傷があったのは左前の一部だったので、そこだけの塗装で良いんじゃないのと思われるかもしれません。
しかし「赤色」という特徴もありますが、こういった塗装は左フェンダーを全部塗装する方がキレイになるんです(^^)/
一部分だけ塗装すると、どれだけ色のトーンを合わせても一体感が薄れることがあります。
特に「赤色」など、原色系は発色が美しいため顕著になります。
ですから、今回のような場合、基本的にはパネル全部の塗装をおすすめしています。
でも「そこまで完璧な塗装じゃなくてもいいよ」と考えておられる場合は、お見積もりやご相談のときにスタッフへお伝えください。
ご要望をお聞きし、最適な塗装プランや修理方法をご提案させていただきます(^^)
そして、もう一度同じ画像を見てください。この塗装の発色なのですが、輸入車独特の赤味があります。
国産車では出ない色味と言えるでしょう(^^)
こういった外国車特有の色味、実は外国車専用の塗料でないと出せません。
そのため外国車を扱っておられるメーカーさんやディーラーさんへ修理の話に行くと
「よそに頼まれてもいいですけど、同じ色にならないかもしれませんよ」
と聞かされることもあると思います。
この話、間違ってはいません。
ただし、輸入車専用の塗料を使っていないところなら、という条件付きです。
では佐藤自動車の場合はというと、ご安心ください(^^)/
佐藤自動車が修理する輸入車には、
すべて「スタンドックス」というディーラーさんやメーカーさんと同じ塗料を使っています。
ということは、あなたの愛車と同じ色に仕上がるということなんです。
それもディーラーさんやメーカーさんよりも安くです!
輸入車の場合、同じ色にならないところもあると思いますが、
佐藤自動車の場合、そんな心配は必要ありませんのでご安心ください(^^♪
ランドローバー、フェンダーパネルの切れ修理完成!
上の画像、塗装が完了したところです。
まだライプの取り付けは終わっていませんが、どこが切れていたのか全くわからない状態になっています。
ラインになっている凹みの部分も、キレイに再現されていますので修理したことがわかりません(^^)ランプを取り付けて完成したところです。
ここで重要なのは、ランプとフェンダーパネルの隙間の量です。
ランプが取り付けられても、塗装がキレイでも、この隙間って車の雰囲気を左右するんです!
特に左右が同じでないと、他の人がわからなくてもオーナーさんは気になりますから。
こういった細かな部分も微調整しながら、
新車のような状態にしてオーナーさんへお届けするのが佐藤自動車の使命だと思ってやらせてもらっています(^^)今回の修理は「部品の製造中止」という、少しイレギュラーな内容でした。
このような状況でも修理をあきらめる必要はありません!
部品がないものでも佐藤自動車では作ったりすることもできますので、他店やメーカーさんやディーラーさんで「無理」と言われても、一度ご相談ください(^^)
スタッフ一同知恵をしぼって、もっとも良いプランをご提案させていただきます。