音声でもご紹介してますので、聴きながら記事を見ると分かりやすいです(^ ^)
今回はBMWの右側面に広くできた凹みとキズの修理についてお届けします。
しかも今回の修理は「車両保険」を使った修理ということで、かなり大がかりな修理となっています!
そして、もうひとつ「事故車」にしない修理という方法を知ってもらえるとうれしいです(^^)/
それでは早速ですが、損傷状態から見ていきましょう。
目次
BMWの右側面の損傷状態
まず、凹みとキズの損傷状態を見ていきます。
テープを斜めに貼っている部分が、今回の修理の部分です。
- フロントドア
- リアドア
- リアフェンダー
- スポイラー(ドアの下についている部品です)
別の角度から見てください。けっこう広範囲に凹みとキズがありますので、これ、全部板金塗装するとなると・・・。しかし、ここで今回の特徴は「保険修理」だということです!
車両保険を使った修理となりますので、
全部の凹みやキズを板金修理するのではなく
- フロントドア
- リアドア
- リアフェンダー
- スポイラー
4点全部を交換してしまっても良いわけです!
でもですね、これ、4点全部を交換すると、、、
「事故車」
扱いになってしまうんです(>_<)
そして「事故車」となってしまうと、
お車の価値がガクンと落ちてしまいます。
これではキレイに修理できたとしても、少しガッカリ感が残ります(>_<)
では、どうすると価値が落ち、どうすると価値が落ちないのか。
実は今回の場合、
リアフェンダーを交換ではなく板金で修理すると、ほかの3点の部品を交換しても
「事故車になりません!」
どうですか?
なかなか頭を使った提案ではないでしょうか(^^)
新車のように修理され、なおかつ、お車の価値を落とさない(^^)/
ということで、もう一度修理する内容を見てみると、次のようになります。
- フロントドア → 交換
- リアドア → 交換
- スポイラー → 交換
そして、リアフェンダーは板金で修理。
BMWの右側面に新品部品を仮合わせ
この画像を見ていただくと、板金で修理するリアフェンダーが、けっこう中に押されてしまっているのがわかると思います(>_<)
キズもありますが、リアフェンダー独特の流れるような形が、奥へ押されているのでデコボコして歪んでいます。
ここをキレイにしていきます。
そして、次の画像を見てください。よく見てくださいね。
フロントドアとリアドアがキレイになっています。
実はこれ、新品部品を取り付けた状態です。
ただ、新品部品というのは、塗装されている部品というのがありません。
ですから、この新品部品へ車の色を塗装していきます。
「だったら取り付ける前に塗装すればいいじゃん」
と考えてしまうと思うのですが、
佐藤自動車ではいきなりそんなことはいたしません!
新品部品を塗装する前に、仮合わせして「隙間」を確認してきます。
フロントフェンダーとドア。
リアフェンダーとドア。
このわずかにできる上下の隙間や高さにもこだわっています(^^)
また、仮合わせすることで水漏れしないかも先にチェックしてから、すべてが新車と同じように「問題なし!」となってから板金塗装へ入っていきます。
確かに仮合わせするのは、手間と言えば手間です。
取り付けて、細かい部分を確認して、また外して。
でも、ここできちんと隙間や水漏れがないことをチェックしておくことで、新車のような状態にできることを私たちは知っています(^^)/
また、お客様にも安心して喜んでいただけるように佐藤自動車としてはこだわりの「ひと手間」をかけさせてもらっています!
BMWの右リアフェンダーとリアドアへのこだわり
この画像を見ると一目瞭然です。
新品のリアドアと凹みとキズがあるリアフェンダーとの差。
リアフェンダーだけを見ているよりも、
リアドアと比較するとリアフェンダーがかなり凹んでいることがわかります。
このように仮合わせで新品部品を取り付けると、
具体的に修理する部分や、新車のようにする部分が見えてきますから、修理の精度が「勘」ではなくなります。
リアフェンダーを板金で修理してから、はじめてリアドアを取り付けるとなると
「アレ?リアドアとリアフェンダーの高さが合わない・・・。」
なんてことにもなりかねません。
佐藤自動車では、
このような「なんとなくいけてそう」な修理をすることは絶対にありません!
そのためにも、
このような小さな部分にもこだわって修理する部分を見極めています。
BMWの右スポイラーをボンドで修復
さて、もうひとつ、こだわりのポイントを見てください。この画像は、スポイラーを外したところです。
特にリアドアからリアフェンダー部分になるのですが、小さな穴があるのがわかります。
この穴に、新品のスポイラーをパチンとはめて取り付けていくのですが、パチンとはめるだけなので土台になっている画像の部分が凹んでいると、
スポイラーがかっこいい状態で留まってくれません。
土台が歪んでいると、当然ですが取り付けるスポイラーも歪みます(>_<)
また、歪むだけではなく、
しっかりついてくれないこともありますから、走っているときに外れてしまうようなこともゼロとは言えません。
意外にスポイラーの内側って重要なんです(^^)
そこで佐藤自動車では、
こういった見えにくい部分もしっかり修理しておきたい。
安全性の面もありますし、1mmでもズレているとかっこわるいですから!
では、どうやってスポイラーの内側が押されているのを修理するのかといいますと
「ボンドで引っ張る」このように、特殊なやり方なのですが、
丸のフックをボンドでスポイラーの内側に張り付けて引っ張り出します。
これ、何が良いのかといいますと、
普通、凹みなどを元に戻す場合、元に戻す部分の塗装をはいで、そこに溶接して引っ張るんです。
でも、これをやると、塗装をはがないといけないですし、車の鉄板を傷めることにもなります。
特に今回のように、スポイラーの内側で凹みはあるけれどキズは無いという場合、
ボンドで引っ張ると、キズの無い大丈夫な塗装が傷むことがありません!
車のことを考えても、こちらの方が断然いいんです(^^)
ということで、こういった見えない部分の修理にも佐藤自動車はこだわって、特殊なやり方を採用しました!
で、引っ張りだして凹みを直したのが次の画像です。パッと見た感じ、わかりにくいのが残念ですが、微妙に凹んでいたのが直りました。
BMWの右リアフェンダーを引っ張り出す!
そして、今回はもうひとつ、特殊な方法で修理しました。
次の画像を見てください。リアフェンダー部分なのですが、こちらに向かって何か銀色の部品が飛び出しています。
本来ですと凹んだ部分を直すとき、引っ張るための部品を溶接して取り付けるのですが、先ほどもお話しましたように溶接すると塗装をはがしますし、車にもあまりやさしくありません。
そこで今回は、凹んだ部分を引っ張る「パネル」を「ハンダ」で取り付けました。
ハンダは引っ張る力が強くても耐えてくれますし、引っ張った後は簡単に取れるので車を傷めずに済みます(^^)
で、ハンダをつけるのがこの機械。ラジオを作ったことがある方ですと、家庭用のハンダゴテを知っておられるかもしれません。
あれの業務用という感じです。
この画像は、ハンダで板金した(凹みを引っ張って整えた)状態です。
ここから微調整をして、
さらに新車のような流れるシルエットを作っていきます。
BMWの右リアフェンダーの凹みを修理
まずは新品部品のリアドアと板金したリアフェンダーとの間にできた隙間を確認します。
隙間が狂っていると見た目に美しくありませんから、かなり神経を使う部分です。隙間をチェックした後、パテを使って形を整えていきます。さらにパテで形を整えてから、パテを研きます。
ここは手作業になりますから、
職人の技術力が試されるところと言えるでしょう(^^)
ちょっと研いてはさわってみる。
まわりの部品とのバランスを確認する。
ここで手を抜くと、
どれだけキレイに塗装しても残念な結果にしかなりません!
佐藤自動車では、
職人の高い技術があるからこそ、徹底的にこだわって美しいシルエットに仕上げています(^^)/
BMWの右リアフェンダーをいよいよ塗装!
さて、パテで形が整えられたら、
次に塗装がキレイに乗るように下地剤の「サフェーサー」というものを塗装します。
ここでもひと手間かけることで、塗装がより美しく輝くように作業をしています!
また、サフェーサーを塗装した後、最後にもう一度削って形を整えて、やっと塗装ができる状態が完成します。いよいよリアフェンダー部分の塗装に入ります。
このように塗装する部分だけを表に出すように車を包んでいます。
そして実際に塗装するのですが、ここでもまだ、佐藤自動車にはこだわりがあるんです(^^)/
メーカーさんへ修理に持って行くと「メーカーでないと同じ色にならないですよ~」って言われると思います。
でも、これ、正解ではありません。
佐藤自動車では、
メーカーさんと同じ「スタンドックス」という輸入車専用の塗料を使っています!
ということは、メーカーさんと同じ色に仕上がるということです(^^)
特に今回のような「黒」のお車の場合、いい塗料を使っておかないと、後からキズがうっすら浮き出てくることもあるんです(>_<)
黒だからこそ、表面の固いクリア層がないと、独特の輝きを出すことはできません。
だから、佐藤自動車では塗料にもこだわって、
メーカーさんと同じ輸入車専用の塗料である「スタンドックス」を使用しています(^^)/
BMWの右ドアとスポイラーの新品部品も塗装します!
どんどんと修理が完成間近になってきました。これは最後に新品部品である
- フロントドア
- リアドア
をスタンドックスを使って塗装しているところです。
最初にもお話しましたが、新品部品は塗装されていないんです。
だから、お車本体と同じ塗料を使って、同じ色に塗装できないと、、、。
想像してみてください。
もうおわかりだと思います。
「同じ塗料で同じ色でない=残念な状態」こちらは新品部品のスポイラーを塗装しています。
当然ですがスポイラーも「スタンドックス」で塗装しています!
BMWの右側面の凹みとキズを保険で修理完成
修理が完成しましたので、完成したお車と修理した部品を並べて写真撮影です(^^)/
今回は保険修理でしたので、交換した部品などを保険会社さんへ証拠として出さないといけません。
そのために、このように写真を撮って保険会社さんへ送るという流れになります。
こんな感じで、かなり広範囲にあった凹みとキズが直りました!
「凹みとキズの範囲が広すぎてメーカーしか修理は無理かも!?」と思われて、メーカーさんで見積もりを取られた後だったとしても構いません。
佐藤自動車へご相談いただければ、お車の価値を落とさない修理の方法を考えてご提案させていただきます(^^)/